上杉香緒里2010年全曲集

上杉香緒里( 上杉香緒裡 ) 上杉香緒里2010年全曲集歌詞
1.流れ星

作詞:池田充男
作曲:徳久広司

恋の痛手の 深傷は
治せないのね 重ね着しても
ひざを抱き またあんた
思わず呼んだ 夜空のはてに
ひとつ涙の 流れ星

あれは去年の 夜祭りに
買ってもらった ガラスの指輪
しあわせの 夢かざり
許されるなら やり直したい
いのち新たに もう一度

女ひとりは 肌さむく
ねむれないから 温めに来て
遣(や)る瀬ない この願い
届けておくれ あんたの胸に
青い矢のよな 流れ星


2.むらさき海峡

作詞:池田充男
作曲:水森英夫

別れてきたのと 涙をふけば
沖でゆれてる 漁り火よ
こんな悲しい 連絡船に
わたしは のらない はずでした
運命(さだめ)うらんで 帰ります
北の日暮れの むらさき海峡

死ぬほど本気で くちびる噛んで
恋を捨てたは 誰のため
かもめ おまえにゃ わかりはしない
明日(あした)のしあわせ 不しあわせ
どうか私を 呼ばないで
あなたさよなら むらさき海峡

乱れてまつわる この黒髪よ
なんで あの男(ひと) 恋しがる
抱いてやりましょ こゝろの傷を
両手で愛(いと)しく あたゝめて
見てはいけない 東京の
星がまたたく むらさき海峡


3.波止場うた

作詞:城岡れい
作曲:徳久広司

恋に命は 賭けられないと
言えばさみしい 女よね
死ぬほど惚れた ひとがいた
死なずに生きた その理由(わけ)は…
灯ともして 笑顔ともして
波に聴かせる 波止場うた

愛に生きたら 幸せだけど
背負うしがらみ どうするの
流れて逢えぬ ひとがいる
流れのカモメ どの辺り…
灯おとして 化粧おとして
涙そぼ降る 波止場うた

陸(おか)で暮らすか 奈落(ならく)の海か
ここは女の 道の果て
忘れたはずの ひとがいる
忘れていない あの夢は…
灯さがして 明日(あす)をさがして
情け日暮れる 波止場うた


4.平舘(たいらだて)哀歌


5.男花 女花

作詞:池田充男
作曲:徳久広司

男が荒野(あれの)の さくらなら
女は撫子 かげの花
嵐と戦う あなたの側で
めだたぬように わたしはつくす
男花 女花
咲いてなみだの 実を結ぶ

うまれは何処かと 聞かれたら
越後のあたりと 答えます
色香でかくした 勝気なこゝろ
うす紅色が わたしの彩(いろ)よ
男花 女花
好きなあなたと 恋を舞う

男は命の 一重咲き
女は情けの かさね咲き
一年 三百六十五日
あなたのために わたしは生きる
男花 女花
うき世この道 ふたりづれ


6.遠野しぐれ

作詞:城岡れい
作曲:徳久広司

変わる季節を すすきが揺らし
風が生まれる 遠野駅
はぐれて添えない 恋を抱き
明日をさがしに 来た旅路
遠野しぐれて 暮れる里
忘れてあげれば… 楽ですか

酔ってあの人 聞かせてくれた
南部語りの なつかしさ
うつむく心を 酒に染め
ぬらす枕で 聞く音は
遠野しぐれて なみだ宿
雨音つづきの… 女です

止まる水車を 未練でまわす
夜明けまじかの わかれ水
ついては行けない 道の先
惚れた男の 夢がある
遠野しぐれて 走る霧
届かぬ背中を 押して行く


7.おけさ海峡

作詞:下地亜記子
作曲:岡千秋

おけさ踊りに 鬼太鼓(おんでこ)が
つらい心に しみとおる
あなた あなた恋しや 遠い空
せめて夢でも 逢いたいよ
風が震える 佐渡海峡

黄花(きばな)かんぞう 咲く頃に
きっと帰ると 言った人
いつに いつになったら その胸で
泣いて甘える 夜が来る
海に名を呼ぶ 佐渡海峡

紺の絣(かすり)に 菅笠(すげがさ)で
送り迎えの たらい舟
女 女心も 届かない
佐渡は四十九里 波しぶき
未練海鳴り 佐渡海峡


8.おんな酒

作詞:城岡れい
作曲:徳久広司

泣いて乱れる 恋よりも
惚れた弱みで 別れた辛さ
あんたなんかにゃ わかるまい
あんただけには 見せたくないの
笑顔支えた 頬づえに
苦い雨降る おんな酒

追って背中に 甘えたい
惚れていりゃこそ 解いたこの手
あんたなんかにゃ わかるまい
あんたひとりに 命をあげて
夜の重さに 耐え切れず
胸は火の川 おんな酒

こころ二つを 持つひとは
どちら向いても 淋しいはずだよ
わたしほんとは わかってた
迷う男の 優しさ深さ
夢と氷を 砕いては
明日を飲み干す おんな酒


9.寒牡丹

作詞:木下龍太郎
作曲:岡千秋

頬に当たった 別れの雪が
解けて涙の 露になる
哀しいけれど 身を引くことが
私に出来る 思いやり
咲いてみたって 春知らず
実らぬ恋です 寒牡丹

夢の夢でも 幸せでした
妻の真似事 出来ただけ
いついつまでも 甘えていては
あなたをきっと 駄目にする
貸してあげたい この傘を
紅さえ凍える 寒牡丹

二度と逢うまい 逢いたいけれど
つらさ堪えて 陰願い
あなたがいまに 世に出ることを
夢見て生きる これからは
雪の重さに 耐えて咲く
女の花です 寒牡丹


10.あなたの笑顔

作詞:池田充男
作曲:水森英夫

あなた なぜなぜ 浮世の風に
拗ねて背をむけ 自棄酒(やけざけ)のむの
たかゞ たかゞ たかゞ人生
かすり傷…
涙はわたしが ひろいます
待っているのよ あなたの笑顔

辛いときこそ おんなの情け
ふれてください いのちの糸に
そうよ そうよ そうよ二人は
艶歌恋…
わたしがついてる 負けないで
曇らないでね あなたの笑顔

しょせん男は いっぽんどっこ
それがあなたの 持ち唄だから
筋を 筋を 筋を通して
晴ればれと…
世間のまんなか 行きましょう
月も惚れてる あなたの笑顔


11.海峡こえて

作詞:池田充男
作曲:水森英夫

一と船先に 海峡こえて
青森港の 桟橋で
待ってゝくれと 言ったひと
あなたは来ない 旅路は遠い
仕方なしなし 東京へ
仕方なしなし 東京へ
わたしは鞄が 重かった

やっぱりわたし 捨てられたのか
それとも何か あったのか
便箋二枚 書きながら
泣きたいような 運命をのせて
仕方なしなし 東京へ
仕方なしなし 東京へ
列車は上野に ついていた

あれから三月(みつき) ちいさな部屋に
命をかけた 恋だけが
ぽつんと ひとつ 置いてある
夜ふけてつのる 男のにくさ
仕方なしなし 東京へ
仕方なしなし 東京へ
いまさらわたしは 戻れない


12.戸隠の雨

作詞:池田充男
作曲:水森英夫

白雪(しらゆき)のこる 戸隠山に
どこから来たのと 尋ねられ
一日がかりと 答えたわたし
死にたいような 切なさを
かくす笑顔に 降りしきる
雨… 戸隠の雨は
恋の痛みを 癒す雨

ひとりでわたし 生きられますと
誰かにゆずった 好きなひと
涙で買ったわ 片道きっぷ
はじめて遠い 旅に来て
お酒温(ぬく)めて のんでみる
雨… 戸隠の雨を
宿のガラスに 聞きながら

春まだ浅く 吹く風さむく
それでも信濃の 空をみる
小さな芽をふく カラ松林
大糸線で 回り鉄道(みち)
あんな男は 捨てました
雨… 戸隠の雨は
晴れる明日(あした)を はこぶ雨


13.津軽の母

作詞:城岡れい
作曲:徳久広司

雪の重さを はじいて生きる
りんごの技に 母を見る
都会暮らしは 辛かろと
娘に届けた 小包に
あゝ 月日を埋めて 雪が降る
母よ 母よ 津軽の母よ

仰ぐ岩木山(おやま)に 両手を合わせ
子どものために 働いた
破れ角巻 守られて
育った温もり 恋しくて
あゝ じょんがら節の 歌も泣く
母よ 母よ 津軽の母よ

他人(ひと)の桜に 遅れて咲けど
りんごは末に 実をつける
夢があるなら がんばれと
笑顔で送った その肩の
あゝ 苦労の根雪 いつ融ける
母よ 母よ 津軽の母よ


14.堂島しぐれ

作詞:城岡れい
作曲:徳久広司

八百八橋(はっぴゃくやばし)も ある街で
あんたに渡る 橋がない
尽くすほど ダメになる
笑顔はぐれの 恋やった
暖簾たたんで 独り飲む
夜のしじまに 堂島しぐれ

一期一会(いちごいちえ)の この愛と
こころに決めて 夢を見た
嘘でいい 最後まで
通す強さが あるんなら
行き場なくした ひとり川
女なみだの 堂島しぐれ

十人十色(じゅうにんといろ)の 倖せが
あるならいつか 私にも
離れても 忘れない
命かさねた 人やから
にごり川にも 明日は来る
夜明け待つのよ 堂島しぐれ


15.紅水仙

作詞:木下龍太郎
作曲:岡千秋

列車を乗り継ぐ 旅路の駅に
こころ迷わす 春の花
似合うと貴方に 褒められた
口紅色した 紅水仙よ
愛していりゃこそ 身を引く恋は
なおさら荷物が 重くなる

小さな指輪も 外してみれば
軽さ寂しい くすり指
幸せでしたと 口紅で
鏡に残した 走り書き
暮らした月日は 短いけれど
笑顔でめくった 夢暦

急げば間に合う 乗り継ぎなのに
わざとひと汽車 遅らせる
戻っちゃだめだと 叱るよに
小さな首振る 紅水仙よ
未練に負けたら 貴方のために
流した涙が 嘘になる


16.のんべえ

作詞:千家和也
作曲:叶弦大

ふらり入った この店は
たしか二度目ね あの人と
我を忘れて 深間にはまり
恋で身動き とれないの
もっと呑んじゃおか これで止(や)めとこか
どっちどっちどっちなの お酒に聞いて

みんな私を 指さして
噂するよに 思えるの
手とり足とり 教わるとおり
恋のいろはを 身につけた
もっと呑んじゃおか これで止めとこか
どっちどっちどっちなの お酒に聞いて

泣いておろおろ してるより
切れりゃかしこく なれるかも
雨はどうやら 本降りみたい
恋を流すに うってつけ
もっと呑んじゃおか これで止めとこか
どっちどっちどっちなの お酒に聞いて